ポリプロピレンの特徴とは?

2019.7.3

ポリプロピレンはプラスチックの素材の1つで、PPと呼ばれることが多い素材です。多くの日用品の素材として使用されており、皆さんの生活の中にもポリプロピレンの製品があふれています。今回の記事ではポリプロピレンの特徴や用途についてご紹介いたします。

ポリプロピレン(PP)とは?

ポリプロピレンは化学式で(C3H6)nです。炭素と水素から成る重合体(ポリマー)です。
略称としてPP(ピーピー)と呼ばれることが多く、生産量は合成樹脂の中で第2位となっています。(第1位はポリエチレン)

→ポリエチレンとポリプロピレンの違いとは?

プロピレン(ガス)が規則正しく配列した結晶性の高分子化合物(プラスチック)で、プラスチックとしては最も軽く(比重0.9)、日用品などで汎用的に使われています。

熱をかけることで可塑性(力を加えて変形させた後、力を除去しても元に戻らない)をもつ熱可塑性樹脂の一種です。

ポリプロピレンの長所と短所とは?

ポリプロピレンの長所

ポリプロピレンの長所は以下の通りです。
・耐熱温度が高い(熱可塑性樹脂の中で)
・比重が軽い(0.9)
・機械強度(引っ張り強度、圧縮強度、衝撃強度)が優れている
・表面は硬く、なめらかで傷がつきにくい
・耐薬品性(酸やアルカリなど)が優れている
・加工性が良く、射出成形や押出、ブロー成形など様々な成形法に対応できる
・安価に大量生産しやすい(成形法による製作)
・完全な光沢性の無色透明フィルムができる
・添加剤によって特性を向上することができる

ポリプロピレンの短所

逆に、ポリプロピレンの短所は以下の通りです。
・対候性が悪く、直射日光など紫外線による劣化が早い
・接着がしにくい
・印刷しにくい

短所に対しては、以下のように様々な対策方法があります。
対候性は添加剤(酸化防止剤など)をいれることで改善します。接着性は表面を下地処理(表面を改質したり、粗したりする)ことで接着性を改善できますが、金属を接着するほどの強度は難しいです。
印刷しにくい、については接着同様に下地処理をすることでインクの密着性を高めて印刷を可能にすることができます。

ポリプロピレンの特徴と用途について

ポリプロピレンを使った製品は身の回りにたくさんあります。その中で特徴(長所)を生かした具体的な例を紹介します。

特徴用途
耐熱性が高い電子レンジ用の食品トレイ
安価に量産可能おもちゃ、家電製品や自動車の部品、ごみ箱などの雑貨品、DVDなどのケース、工業用コンテナ、注射器シリンジ、包装容器
耐薬品性に優れている化学機器製品、コンテナ類、哺乳器具
機械強度が強い自動車部品(バンパーなど)
無色のフィルム加工が可能お菓子などの包装
軽い日用品(コップなど)、哺乳器具

ポリプロピレンは成形にて安価に量産できるというメリットがあるため、様々な製品に使用されています。ただし形状によっては、反りやすい特徴も持っているので使用において反りにくい形状にする、といったことが重要です。
また、添加剤によって対候性を改善したり、機械強度を増したりすることができます。


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