不織布用の接着剤の種類と選び方とは?
2018.7.9
不織布はその字の通り、織らずに絡ませた布です。
熱や機械的、化学的な作用によって接着もしくは絡み合わせて作られています。
金属やプラスチックとは異なり布なので、通常の工業用接着剤が使えないこともあります。
特に粘性の低い瞬間接着剤などは内部に浸透してしまうことから使うことはできません。
では、不織布を接着するにはどのようにすればよいでしょうか?
不織布を接着する方法とその中で一般的に使える接着剤について紹介します。
不織布を接着する方法とは?
不織布を接着する方法は、
・接着剤として樹脂を使って化学的に接着する(ケミカルボンド)
・両面テープで貼り付ける
・加熱して融着させる(サーマルボンド)
・ホッチキスでとめる
・カギ付きの針で機械的に絡ませる(ニードルパンチ)
・高圧水流の噴射で絡ませる(水流交路またはスパンレース)
・ウェブの縫い合わせ(ステッチボンド)
などがあります。
今回はその中でも接着剤による不織布の接着についてご紹介いたします。
接着剤の種類
金属やプラスチックに使われている接着剤を転用することは可能です。
しかし、粘性が低いと浸透して接着できなかったり、色がついていると見栄えが悪くなったりします。
不織布の接着に向いている接着剤の例を紹介します。
アクリル系接着剤
主成分はアクリル共重合樹脂で、水に溶かし、可塑剤および充填剤が混合された接着剤です。
不織布用接着剤といえば、まずはこのアクリル系接着剤がでてきます。このアクリル系接着剤は、両面テープとしても多く使われており、不織布自体の製造でもバインダー(接着剤)として使われることがあります。
酢酸ビニル樹脂系接着剤
代表的なものでは「木工用ボンド」が該当します。
主成分は酢酸ビニル樹脂で、溶剤として水、可塑剤や防腐剤、充填剤、界面活性剤等と混合された接着剤です。
粘性があるのに固体ではないので、接着範囲の狭いものから広いものまで幅広く活用できます。
塗布時は有色ですが、硬化乾燥すると無色になるので見栄えへの影響が少ないことも特徴です。
ポリビニールアルコール+合成樹脂
一般的な「液体のり」が該当します。
主成分はポリビニールアルコールと合成樹脂で、水と混ぜ、高温溶解させた接着剤です。
カビ対策として、安全性が担保された防腐剤が添加されています。
液体なので繊維の隙間に浸透するので、接着面積を制限する場合には注意が必要です。
接着面積に制限がなく、広い面積で接着したい場合に向いています。
ポリビニールピロリドン接着剤
一般的な「固形のり」が該当します。
主成分はポリビニールピロリドンで、硬化剤としてゲル化剤を水やアルコール類にまぜ、高温で溶解混合してから冷却硬化させた接着剤です。
固体なので特定部位だけを接着したい場合に向いています。
ノルマルペンタン/アセトン系接着剤
主成分はノルマルペンタンとアセトンで、噴射剤としてジメチルエーテルが含まれます。
スプレー式で作業性が良好な上、飛び散りが少ない帯状に噴射されるので狭い面積の接着にも向いています。
スプレーのりの中では中強度の接着力です。
イソヘキサン/シクロヘキサン/アセトン/メチルエチルケトン系接着剤
スプレー式接着剤が該当します。
主成分は、イソヘキサン、シクロヘキサン、アセトンとメチルエチルケトンで、噴射剤としてジメチルエーテルが含まれます。
スプレー式で作業性が良好です。
スプレーのりの中では最高レベルの接着力です。
不織布の接着方法は色々。RextaxのAPAOは不織布接着に適しています
いかがでしたでしょうか。
不織布の接着はその用途に応じて様々な接着剤を使い分けることが重要となります。
弊社で取り扱うAPAOはプロピレン、あるいはプロピレンとエチレン、プロピレンとブテン-1などを共重合させた熱可塑性のオレフィン系ポリマーです。APAOは不織布の接着にも適しております。
- ・通気性フィルム、不織布、クラフト基材への優れた接着性
- ・優れた熱安定性
- ・低VOC
- ・低臭
- ・幅広いオープンタイム(0~900秒)
- ・低粘度 400cps~(@190℃)
- ・様々な非接触塗布が可能
- ・低比重=使用量減(10%~30%)
詳しくは「APAOの用途事例 – 不織布の接着」をご覧ください。