自動車の接着とは?自動車部品の接着に優れた接着剤
2018.11.16
自動車業界では、各部の接合強度が必要なため、金属と金属は溶接での接合が一般的でした。
しかし、最近は省エネ低燃費に注目が集まり、軽量化を図るためにも金属ではなく、強化樹脂など軽い素材の利用が増えてきました。
特に炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は軽量にもかかわらず金属と同等以上の強度を持つこともあり、最近は頻繁に使われるようになりました。
また、内装もデザイン性にすぐれた樹脂成型品が利用されています。これらの樹脂の接合には溶接が使えないため、ネジによる締結か接着剤による接合が増えてきました。
接着剤による接合が難しいとされた油面鋼板にも優れた接着性を示す接着剤もでています(油面鋼板とは、防食性のため金属表面に油性塗料を塗布した鋼板のこと)。
金属同士の接着接合も含めて自動車業界で使われている接着剤の紹介をします。
①マスチック接着剤
主成分:合成ゴム
特徴:ゴムの弾性接着剤で、充填接着に使われます。
無溶剤で加熱することで硬化します。
耐久性が高く、油面鋼板にも優れた接着性を示します。
用途:ボンネットやドア部の外板と内板の接着(外板の強度アップと外板の振動による騒音防止)
②ヘミング用接着剤
主成分:一液硬化型エポキシ樹脂
特徴:無溶剤で加熱硬化します。
粒径の均一なガラスビーズを使うことで仮止め効果が向上します。
油面鋼板や亜鉛メッキ鋼板にも優れた接着性を示します。
シーリングの役目も果たします。
用途:ドアなどのヘミング部(ヘミング=折り返し)
③スポットシーラー
主成分:合成ゴム
特徴:ゴムの弾性接着剤で充填接着に使われます。
スポット溶接部などに塗布することで耐水性を発揮し溶接部を保護します。
スポット溶接前に塗布するため、腐食性ガスを発生しません。
用途:スポット溶接部の耐久性(防水、防錆など)向上
④構造用接着剤
主成分:一液硬化型エポキシ樹脂
特徴:耐久性および耐衝撃性が高い無溶剤の接着剤
油面鋼板や亜鉛メッキ鋼板に優れた接着性を示します。
用途:車体フレーム部でスポット溶接ができない箇所の接着
スポット溶接との併用(車体剛性向上)
⑤ダイレクトグレージング用接着剤
主成分:一液湿気硬化型ポリウレタン
特徴:車体剛性を向上することができる
以前はボディおよびウィンドウにプライマーを塗布する必要があったが、
今はプライマーなしでも十分な接着強度を発現する。
用途:ボディとウィンドウ(ガラス)の接着
⑥-1内装用接着剤1
主成分:二液型ポリウレタン系
特徴:臭気性がないため、内装に向いている
プラスチック類の接着性が良好
用途:インパネなど内装部品の接着
⑥-2内装用接着剤2
主成分:湿気硬化型一液クロロプレンゴム系
特徴:幅広い材料で接着することができる。
初期強度が良いため、仮押さえが不要で作業性が良い
両面に塗布して接着する
用途:ボード類の内装仕上げ
⑥-3内装用接着剤3(ホットメルト型)
主成分:EVAもしくはSBS樹脂
特徴:熱で溶けて冷え固まると接着強度が発現するので高速接着が可能
用途:インパネなど内装部品の接着
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