ホットメルト接着剤の種類とそれぞれの用途とは?
2018.8.29
まずはじめに…ホットメルト接着剤とは?
ホットメルトは、ホット(Hot:熱い)メルト(melt:融ける)の名前にある通り、加熱して融かして接着させる接着剤です。通常、融かすための加熱温度は約80~100℃です。
常温では固体で、3通りの形状(棒、粉、シート)があります。
一番よく使われているのは棒状で、グルーガンと呼ばれるガンを使って接着をすることが多いです。グルーガンのトリガーを引くと、接着剤が前に押し出され、先端のヒーターによって加熱され、接着剤が融け出ます。
ホットメルトは環境にやさしい、作業効率が良いなどの特徴があります。
工業用接着剤とも言えますが、ホームセンターやインターネット通販などで簡単に購入できるのも良い点です。
高温に融かして接着するため、作業時の火傷には注意が必要です。
ホットメルトの種類(主成分)と特徴
ホットメルトは主成分によって、特性が異なり用途が変わってきます。
また、同じ材料だからと言って粘度が同じとは限りません。
通常の接着剤では難しいプラスチックの接着にも向いていますが、表面粗さが細かい(鏡のような表面)のアルミ材は接着するのが難しいです。
本記事ではホットメルトの種類ごとの特徴や用途についてご紹介します。
EVA(エチレン酢酸ビニル)系ホットメルト
幅広い粘度域をもつ(粘度1.4Pa・s~16Pa・s)ことが特徴の1つで、製本や包装で使われています。ロール状に接着剤を塗布していくことが多いです。
速固化するタイプから遅いタイプまで幅広く、紙や布、軟質塩ビなどのプラスチックへの接着性も良好のため、段ボールなどで使われています。
また建材用としても使われています。
オレフィン系ホットメルト
ポリプロピレンやポリエチレンなど、通常の工業用接着剤では接着しにくい材料と物性が近いため、これらの接着が比較的行いやすいという特徴を持っています。
耐熱性が高く、熱安定性も良好で耐薬品性もいいため、工業用にも使われることが多いです。
自動車内装の各部張り合わせや電気電子部品の絶縁や保護、包装関係でよく使われます。
ゴム系ホットメルト
加熱してからしばらくおいて、ゴム状になった状態で貼り付けることができることが特徴です。不織布のように液体だと浸透してしまうような材料を接着することができます。
ゴム系の粘着性(完全に固まりきらず、何度も接着や剥離を繰り返すことができる機能)をもっており、完全に固化しない製品があります。
何度も貼りなおせる機能を生かし、おむつなどの衛生用品やバスマットなどの滑り止め、ゴキブリの捕獲用などに使われています。
また、紙に浸透しないことを生かして、紙封筒やダイレクトメールの胴貼り、ラベルなどにも使われています。
FRPやPP、PVCなど通常の接着剤では接着しにくいプラスチック樹脂を強接着することができます。
ポリアミド(ナイロン)系ホットメルト
耐熱性が高く、絶縁性能、耐薬品性が良好です。
電気・電子部品のポッティングやモールディングに主に使用されています。
ポリエステル系ホットメルト
耐薬品性が良く、幅広い材料を接着できます。
PETや軟質PVC、金属だけでなく、繊維や木材など広範囲の材料への接着に使用されています。
すぐれた耐久性をもっていることも特徴の一つです。
ポリウレタン系ホットメルト
塗布した後、湿気と反応し、耐熱耐寒性が高くなります。
接着剤で接着しにくいPPの接着によく使われています。
製本後に本を大きくひらけても剥がれない、インキ溶剤に強い特徴を生かし、現在、一般的な製本用のりとして使われています。
一度、硬化すると軟化しないという性質から古紙リサイクルにおける溶解工程で除去が容易です。
Rextacで取り扱う「APAO系ホットメルト」の特徴や用途
Rextac(レックスタック)で取り扱うAPAO系ホットメルトは、熱安定性に優れているため、性能が低下しにくいという性質があります。
またプロピレン、あるいはプロピレンとエチレン、プロピレンとブテン-1などを共重合させた熱可塑性のオレフィン系ポリマーであり、非極性です。
詳しくは下記をごらんください。
→APAOとは?
→APAO系ホットメルト接着剤とゴム系ホットメルト接着剤の違いとは?
是非一度お問い合わせください。