APAOを応用した熱可塑性のポリオレフィン系ホットメルト接着剤
2019.1.31
2018年12月に開催された接着・接合EXPOでご紹介しました、REXtac,LLC.が製造するAPAOを活用した熱可塑性のポリオレフィン系ホットメルト接着剤についてご紹介します。
1.熱可塑性高耐熱型ホットメルト
2.PBT接着性ホットメルト
1.熱可塑性高耐熱型ホットメルト
熱可塑性高耐熱型ホットメルトの特徴
通常の熱可塑性ホットメルトでは困難な高温領域での接着性が期待できます。
一般性状
特性 | 温度[℃] | バイラミネーション用 BGG75 | オープンタイム延長 BGG75X開発中 | 単位 | ASTM法 |
---|---|---|---|---|---|
溶融粘度 | 190 | 7,500 | 8,400 | Mpa・s | D3236 |
引張破断強度 | 23 | 2.0 | 2.2 | Mpa | D638 |
引張伸度 | 151 | 427 | % | D638 | |
軟化点 [Ring and Ball] | 154 | 157 | ℃ | E28 | |
せん断クリープ破壊温度 | 144 | 153 | ℃ | REXtac方法 | |
はく離クリープ破壊温度 | 112 | 109 | ℃ | REXtac方法 | |
オープンタイム [Kraft/Kraft] | 25 | >5 | 15 | 秒 | REXtac方法 |
BGG75は、高粘度APAOを主体とする特殊処方で構成されたホットメルトです。
通常の熱可塑性ホットメルトでは困難な高温領域での接着性が期待でき、中程度の溶融粘度であるため、塗布作業性に優れています。
※BGG75Xは開発品であり、BGG75よりオープンタイムを延長している製品です。
耐熱物性
試験項目 | 試験方法 | 単位 | 基準 | 測定結果 [N3]平均 |
---|---|---|---|---|
常態接着力 [接着24時間後] | 23℃雰囲気温度 90度はく離強さ | N/25mm | はく離速度 200mm/分 | 80 |
80℃熱間接着力 [接着24時間後] | 80±2℃×1時間→80℃熱間 90度はく離強さ | N/25mm | はく離速度 200mm/分 | 20 |
80℃クリープ試験 [接着24時間後] | 80±2℃×24時間 | mm | 100g荷重 200g荷重 | >1mm >5mm |
※上記の測定値は、信頼できる試験法に基づき測定した結果ですが、代表値であり規格値として保証するものではありません。
PBT接着性ホットメルト
PBT接着性ホットメルトの特徴
▪ 電子部品で多用されるPBT樹脂への接着性が期待できます
▪ ガラス転移温度が低く、特に低温脆化性に優れています
一般性状
特性 | 温度[℃] | 試作品BGG025 ポテッィング・モールド用 | 試作品BGG035 ポッティング用 | 試作品BGG045 ポッティング用 | 単位 |
---|---|---|---|---|---|
溶融粘度 | 180 | 15,000 | 15,000 | 9,000 | Mpa・s |
軟化点 | 153 | 145 | 143 | ℃ | |
比重 | 0.910 | 0.913 | 0.903 | ||
引張伸度 | 23 | 200 | 340 | 280 | % |
ガラス転移温度 | -30 | -50以下 | -50以下 | ℃ | |
ゴム硬度 | 0 | 91 | 66 | 71 | ショアA |
-20 | 94 | 73 | 76 | ショアA | |
-40 | 97 | 76 | 81 | ショアA |
家電、車載用電子部品を筆頭に絶縁封止は、光硬化型や2液硬化型などの反応系樹脂やPPS,ABS,PVCに代表される射出成型材料が主流を占めていますが、ホットメルト接着剤を使用することにより工程合理化、コスト削減を図れるため、新たな工法として普及が始まりました。
使用されるホットメルト接着剤は、ポリエステル系、ポリアミド系が中核を占めていますが、環境負荷物質削減の一貫として、車載系では軽量化要求が高まり、ホットメルト接着剤の新たな潮流として、低比重であり、疎水性のオレフィン系が注目される様になってきています。
PBT接着性比較と低温脆化性
条件 | 温度[℃] | 試作品BGG025 ポッティング・モールド用 | 試作品BGG035 ポッティング用 | 試作品BGG045 ポッティング用 | ポリエステル系 | ポリアミド系 |
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せん断接着強さ[N/㎠] | 0 | 188 | 67 | 117 | 104 | 95 |
23 | 143 | 71 | 103 | 67 | 18 | |
40 | 82 | 36 | 65 | 30 | 34 | |
低温脆化性 | -40 (-20) | × (〇) | ◎ (◎) | ◎ (◎) | 〇 (〇) | 〇 (〇) |
※ 低温脆化性 (折り曲げ試験) ◎:白化、割れ、クラック未発生 〇:僅かに白化 △:一部クラック発生 ×:割れ
※ 上記の測定値は、信頼できる試験法に基づき測定した結果ですが、代表値であり規格値として保証するものではありません。